軽井沢旅行、2日目。
昨日は旧軽井沢を歩いて、宿のドッグランで遊んで、美味しいものを食べて。
夜には、かふぅも一緒にバーへ行った。
ずいぶん盛りだくさんな一日だったからだろうか。
2日目の朝は、いつもより少しだけのんびり始まった。
軽井沢の朝
目を覚まして、まずはバルコニーへ出てみる。
地面は夜露で少し湿っていた。
でも空気は比較的カラッとしていて、朝の肌寒さが心地良い。
深く息を吸ってみる。
その冷たさの奥に、どこか凛と澄んだ冬の空気すら感じるような気がした。
もう少ししたら、冬なんだな。
そんなことを思う。
……でも、関東に帰ったら、また暑いんだろうか。
季節を少しだけ先取りしたような軽井沢の朝だった。
しばらくすると、奥さんとかふぅも同じくらいに起きてきた。
かふぅはまず、部屋のドッグランへ。
軽く身体を動かして、朝のおトイレを済ませる。
一方の奥さんは、一日の始まりとともに身支度を始めた。
鏡の前でお化粧をする奥さん。
その同じ部屋で、かふぅは自由気ままに過ごしている。
場所は軽井沢なのに。
見ている景色は、どこかいつもの我が家と似ていた。
場所が変わっても、僕らは僕らなんだな。
そんなことが、なんだか心地良かった。
朝ごはんは、今日もかふぅから
身支度を終えて、3人で朝食を食べにレストランへ向かう。
もちろん、かふぅも一緒だ。
レストランまではカートで移動。
とはいえ、いつもと違う場所。
いつもと違う匂い。
カートの中に入っていても、かふぅのソワソワは隠せない。
席に着くと、テーブルには朝食のお品書きが添えられていた。
和食だ。

一方のかふぅはというと。
昨日のお肉の存在を覚えているのだろうか。
机の上や辺りに向かって、しきりに鼻をクンクンさせている。
そして。
やっぱり今日も、一番最初に食事が運ばれてきたのはかふぅだった。
昨日の信州プレミアム和牛もある。
目が明らかに輝いている。
奥さんが、お肉や野菜を食べやすい大きさに切ってくれる。
僕も慌てて手伝う。
二人でかふぅの朝ごはんを準備する。
そんなことをしているうちに、レストランには続々と他のお客さんがやってきた。
もちろん、みんな犬連れだ。
すると、新しく入ってきた一匹が興奮して吠え始めた。
それにつられるように、
ワン!
ワンワン!
周りの犬たちも一斉に合唱を始める。
かふぅはどうしているだろう。
そう思って見てみると。
……乗り遅れていた。
普段、外ではそれほど吠えないからだろうか。
完全に吠え始めるタイミングを見失っている。
それでも、
「僕も……?」
とでも言いたげに遠慮がちに唸ってみる。
周りに促されるように、小さくワンと吠えてみる。
その頃には、周りのお友達はだいたい静かになっていた。
かふぅ、、、遅いよ。
奥さんと2人で思わず笑ってしまった。
晴れた軽井沢で食べる朝ごはん
そんな小さな騒動の間に、僕らの朝食も運ばれてきた。

パッと見ただけでも、結構ボリューミーだ。
魚に玉子焼き、ソーセージ。
野菜や鶏肉、小鉢も並んでいる。
澄んだ空気の朝。
晴れた軽井沢で食べる和食というのも、また一興だ。
昨日から思っていたけれど、軽井沢で食べるものは食材そのものが本当に美味しく感じる。
野菜も、鶏肉も、魚も美味しい。
納豆と海苔までいただいて、
「結構あるな」
と思っていたはずなのに。
気がつけば、ペロリと食べ終わっていた。
食後にはコーヒーをいただく。
すぐに動き出す必要もない。
3人で、のんびりと朝食後の時間を過ごした。
この部屋とも、そろそろお別れ
朝食を終えたら、部屋へ戻って出発の準備。

奥さんがチェックアウトを済ませてくれている間に、荷物をまとめていく。
そんな中。
誰よりも早く支度を終えた方が一名。

帽子をかぶって、なんだか自慢げだ。
自分の準備はもう終わりましたけど?
そんな顔で、高みの見物を決め込んでいる。
はいはい。
人間はまだやることがあるんですよ。
最後に忘れ物がないか確認する。
そうだ。
昨日、旧軽井沢で買った漬物。
冷蔵庫から取り出して、荷物に入れる。
これで準備完了。
部屋を出る前に、もう一度だけ中を眺めた。
木の温もりを感じる部屋。
窓の向こうの緑。
かふぅが遊んだプライベートドッグラン。
奥さんが僕の誕生日に贈ってくれた、この旅の景色。
写真とは少し違う方法で。
その雰囲気を、記憶の中にも留めておきたかった。
さあ。
2日目の始まりだ。
森の中を歩く、ハルニレテラス
最初に向かったのは、ハルニレテラス。
ナビに案内されるまま向かったものの、駐車場がいくつかある。
どこに入ればいいんだ?
少しドキドキしながら車を走らせる。
これは余談だけれど、軽井沢に来てから小道や脇道の入口を見つけるのが少し難しいと感じることが何度かあった。
遠くから見ていると入口に見えなかった場所が、近づいた途端、
「ここだったの!?」
となる。
そんな小さな緊張を経て、無事に到着。

まず目を惹かれたのは、その佇まいだった。
建物の色。
木の質感。
周りを包む緑。
そして、そこに流れている空気。
どれかひとつが主張するのではなく、全部が自然に馴染んでいる。
なんだか心地良い場所だ。
気温もちょうどいい。
かふぅも元気いっぱいだった。
走ってみたり。
気になる場所を見つけては、クンクンしてみたり。
ここでもやっぱり、クン活に忙しい。
いくつかのお店を覗きながら歩いて、そのあとは横を流れる川辺へ。
そこで少し写真を撮って、僕らは次の目的地へ向かった。
今度は、軽井沢のアウトレットへ
次に向かったのは、軽井沢のアウトレット。
そのあとT-SITEにも寄ってみる予定だ。
アウトレットの駐車場に車を停め、かふぅのカートを押しながら中へ向かう。
シルバーウィークが始まる前日だったこともあってか、人はそこまで多くない。
そして何より、天気が良かった。
青い空。
気持ちのいい風。
目の前には奥さんとかふぅ。

贅沢だなぁ。
また一人で、そんなことを考えていた。
奥さんに飲ませたかったワイン
アウトレットを少し進んだところで、見覚えのある名前が目に入った。
ピーロート。
ワインの展示販売をしていた。
実は僕は以前、仕事でこの会社のワインを少しだけ扱ったことがある。
そのときのことを思い出して、ひとつ気になった。
貴腐ワイン。
僕は運転があるから飲めない。
でも、奥さんには飲ませてあげたい。
聞いてみると、以前扱っていたものはもうないものの、別のものならあるとのこと。
その場で何本か開けて、試飲させてくれた。
ひと口飲んだ奥さんの表情が変わる。
その甘さに驚いたらしい。
してやったり。
なんだか僕まで嬉しくなる。
買っていくか少し悩んだけれど、このあともまだ色々見て回る。
ひとまず、その場をあとにすることにした。
走るかふぅと、走る奥さん
カートからかふぅを下ろす。
すると。
待ってましたとばかりに元気いっぱいだ。
大好きな芝生。
土や草の匂い。
気になるものだらけなのだろう。
あっちへ行って。
こっちへ行って。
縦横無尽に駆け回る。
そして、そんなかふぅと一緒になって走る奥さん。

二人とも、本当に楽しそうだ。
僕は少し離れたところから、そんな二人を眺めていた。
昨日から何度、この景色を見ただろう。
楽しそうなかふぅを見て、奥さんが笑う。
楽しそうな奥さんを見て、僕も笑う。
かふぅが僕らのところへやってきて。
また3人で歩き出す。
こういう時間があるだけで、日々の疲れなんて少し遠くへ行ってしまう。
3人で歩けば、それでいい
ひとしきり走ったあとは、アウトレットとは駅の反対側にあるT-SITEへ向かった。
並んでいるお店を眺めながら、ぐるりと一周してみる。
気になるお店はいくつかあったけれど、今回はかふぅと一緒に入れるところが見つからなかった。
それなら無理に長居する必要もない。
早めにアウトレット側へ戻ることにした。
再び広い敷地を、3人で歩く。
特別な話をしていたわけじゃない。
他愛もない話ばかりだったかもしれない。
でも。
そんな会話をしながら、奥さんとかふぅとのんびり歩く時間が心地良かった。
アウトレットは犬と一緒に歩きやすく、犬同伴で見られるお店もある。
僕らも洋服を中心に、気になるお店を覗きながらぐるりと回った。
途中、フードコートのような場所でお昼を食べようかとも話した。
ただ。
なんとなく、しっくりこない。
「ここじゃないかな」
そんな感じで、今回は見送った。
お土産屋さんで買い物を済ませて、改めて考える。
さて。
お昼、どうしよう。
「誕生日旅行なんだから、好きなのでいいよ」
奥さんが言った。
「誕生日旅行なんだから、好きなのでいいよ」
それなら。
ラーメンが食べたい。
せっかく軽井沢まで来てラーメンなのか。
そんな気も少ししたけれど、食べたいものは食べたい。
すると奥さんは、すぐに犬同伴で入れるラーメン屋さんを探してくれた。
見つかった。
行こう。
このときの僕は、
かふぅと一緒に店内に入れて、ラーメンまで食べられるなら最高じゃん。
そのくらいにしか思っていなかった。
このあと食べる一杯に、あんなに衝撃を受けるとは知らずに。
アウトレットを離れる前。
かふぅと奥さんは、もう一度芝生へ。
また走る。
まだ走る。
さっきあれだけ走ったのに。
「疲れ知らずだね」
笑いながら、僕は二人を眺めていた。
犬と一緒に入れる「RAMEN たけり」へ
向かったのは、「RAMEN たけり」。
駐車場は2台分しかないらしい。
空いているだろうか。
少し恐る恐る向かってみると。
一台分、空いていた。
よし。
車を停めて、かふぅと一緒に店内へ。
入ってみると、まずその雰囲気に驚いた。
綺麗で、おしゃれ。
ラーメン屋さんというより、どこかカフェのようにも見える。
店員さんの距離感も絶妙で、居心地がいい。
メニューを見る。
自家製の無添加ベーコンや鰹節から取ったスープに、信州の野菜や果物を合わせているらしい。
奥さんと二人でメニューと睨めっこ。
奥さんはつけ麺。
僕は特製ラーメンを注文した。
料理を待つ間、かふぅにはいつものボーロ。
美味しそうにいくつか平らげる。
「かふぅと一緒に入れるの、いいよね」
「お店も綺麗だね」
「ラーメン楽しみだね」
そんな話をしていると。
やってきた。

そして奥さんのつけ麺。

いただきます。
スープをひと口。
「うわっ!」
もうひと口。
「やばっ!」
そして。
「うまっ!」
たぶん、かなり目を丸くして奥さんを見ていたと思う。
一方の奥さんも、
「美味しい!」
と目を輝かせている。
いや。
これは、本当に美味しい。
かふぅと一緒に入れるから。
最初は、そのくらいの気持ちで選んだお店だった。
完全に予想を裏切られた。
いい意味で。
これまで食べてきたラーメンの中でも、僕の中ではトップ3に入る。
創作ラーメンという括りなら、今のところ断トツの一位だ。
軽井沢でこんな一杯に出会うとは思わなかった。
旅行の途中で、
「何食べようか」
と何気なく決めたラーメン。
それがこんなにも記憶に残る一杯になる。
こういう予定外の出会いも、旅の面白さなのかもしれない。

その頃。
朝から遊び続けていたかふぅは、そろそろ電池切れ。
僕らがラーメンの余韻に浸っている横で、気持ち良さそうに目を閉じていた。
旅の最後に、もうひとつ
衝撃のラーメンに舌鼓を打って、しばしまったり。
これで軽井沢旅行も終わり。
……ではない。
最後に、もう一か所。
揚げまんじゅうの「せいきち」へ向かった。
ここは奥さんたっての希望だ。
蕎麦粉を使ったおまんじゅう。

口に入れた瞬間、蕎麦の香りがふわっと広がる。
餡の甘さ。
揚げた生地。
そして表面に振られた塩のしょっぱさ。
甘い。
しょっぱい。
また食べたくなる。
美味い。
最後まで、よく食べた旅行だった。
そして、帰ろう
これで本当に、軽井沢での予定は全部おしまい。
二日間をたっぷり堪能して、帰路につく。
車を走らせて、どれくらい経っただろう。
窓の外を見ると、今日の太陽が山の向こうへ沈もうとしていた。

楽しかった二日間が、少しずつ遠ざかっていく。
昨日の朝。
あんなにソワソワしながら出発を待っていたかふぅも、この二日間でたくさん歩いて、たくさん走った。
奥さんも楽しそうだった。
僕も、たくさん笑った。
二日間。
たった二日間だったけれど、思い返せば、ずいぶんたくさんの景色がある。
そして、いつもの我が家へ。
帰ってきたばかりのかふぅは、まだ少しだけ起きていた。

でも。
やっぱり疲れていたんだろう。
しばらくすると、すっかり夢の中だった。

いつもの家。
いつもの場所。
いつもの寝顔。
昨日の朝は、あんなに楽しそうに出発を待っていたのに。
今はもう、静かな寝息を立てている。
これで、僕らの軽井沢旅行はおしまい。
でもきっと、こうしてまたひとつ。
僕らの「いつもの」が増えたんだと思う。
しっぽと休日メモ
今回の軽井沢旅行は、僕の誕生日を奥さんが祝ってくれた二日間だった。
旧軽井沢を歩いて。
かふぅとドッグランで遊んで。
美味しいものを食べて。
ハルニレテラスを歩いて。
芝生を走って。
思いがけず、とんでもなく美味しいラーメンにも出会った。
たくさんの場所へ行って、たくさんの景色を見た。
でも。
二日間を振り返ったとき、やっぱり僕の中に残っているのは。
楽しそうに走るかふぅだったり。
その隣で笑っている奥さんだったり。
朝、同じ部屋でそれぞれ自由に過ごしていた時間だったりする。
1日目の夜。
旅先でも、結局好きなのはいつもの僕らだった。
そんなことを思った。
そして家に帰って、いつもの場所で眠るかふぅを見ていたら。
少しだけ、その続きが分かったような気がした。
旅に出れば、特別な景色が増えていく。
でも、それ以上に。
こうして一緒に過ごした時間が、少しずつ僕らの日常になっていく。
またいつか。
3人でどこかへ行こう。
その日まで。
今日からまた、いつもの僕らで。🐾

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