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ひまわりと、笑い声と、いつもの帰り道。

朝6時前。

いつものようにルーフバルコニーに出て、コーヒーを飲んだ。

外に出て最初に思ったのは、

「ちょっと寒いかも」

ということだった。

8月なのに、半袖だと少し肌寒いくらい。

ついこの前まで、朝からむわっとした暑さだったのに。

季節がほんの少しだけ進んだような気がした。

目次

汗をかかない朝の散歩

7時を過ぎた頃、かふぅも起きてきたので散歩へ。

いつものようにあっちへ行ったり、こっちへ行ったり。

相変わらず、くん活には余念がない。

でも、この日は歩いていても汗をかかなかった。

「なんか秋っぽくなってきたね」

まだ8月。

きっと昼になれば暑くなるんだろうけど、朝の空気だけは少しだけ秋だった。

家に帰ってシャワーを浴びて、せっかくさっぱりしたところで、今度はかふぅとおもちゃ投げ。

そのうち、かくれんぼまで始まった。

夢中になって遊んでいたら——

結局、汗だく。

せっかくシャワー浴びたのに。

まあ、かふぅが楽しそうだからいいか。

「今日なら、かふぅも一緒に行けそう」

この日の天気予報は曇り。

気温も30℃を下回る予報だった。

ここ最近は暑い日が続いていて、かふぅとのお出掛けもなかなか難しかった。

だから、

「今日なら、かふぅも一緒に行けるんじゃない?」

ということで、久しぶりに3人でソレイユの丘へ行くことにした。

久しぶりのお出掛けだからなのか、かふぅもなんだか嬉しそう。

……だったんだけど。

着いてみると、予報に反して晴れ間が続いていた。

普通に暑い。

「曇りじゃなかったっけ?」

なんて奥さんと話しながらも、かふぅが熱中症にならないよう、いつも以上に様子を見ながら歩くことにした。

久しぶりのお出掛けに大はしゃぎ

そんな僕たちの心配をよそに、かふぅは大はしゃぎ。

そして、やっぱりくん活。

久しぶりのお出掛けでも、そこはいつも通りらしい。

少し歩く。

止まって、くんくん。

また歩く。

そしてまた、くんくん。

何がそんなに気になるんだろう。

僕たちには分からないけれど、きっとかふぅにとっては、いろんな情報が詰まっているんだろうな。

「楽しそうだね」

奥さんとそんな話をしながら歩いた。

暑くないかな。

大丈夫かな。

ふたりで何度もかふぅの様子を確認する。

それでもやっぱり、楽しそうに歩いている姿を見ると、連れてきて良かったなと思う。

夏の終わりの、ひまわり

園内には、たくさんのひまわりが咲いていた。

空は少し曇っていたけれど、一面に咲く黄色いひまわりは、まだまだ夏そのものだった。

奥さんとかふぅと一緒に、写真もたくさん撮った。

そして今回は、僕にはもうひとつ目的があった。

9月に予定している軽井沢旅行に向けて、買ったばかりのジンバルの練習。

ところが。

まだ使い方に慣れていないから、意図しないところでカメラがグルグル。

「あれ?」

なんて格闘している僕を見て、

「何してんのw」

奥さんが笑っていた。

うん。

軽井沢までには、もう少し練習しておこう。

タコスと「子供なの!?」

お昼は園内でタコスを買った。

外のベンチで食べようと思ったものの、ちょうど埋まっていたので、一度車へ戻ることに。

エアコンの効いた車内で、3人でひと休み。

そしてタコスを食べていたら——

Tシャツにソースをこぼした。

それを見た奥さんから一言。

「子供なの!?」

……43歳です。

そんなことをしているうちに、外を見ると雨がぱらぱらと降り始めていた。

「車戻ってきて良かったね」

本当にちょうどいいタイミングだった。

晴れたり、雨が降ったり。

なんだか忙しい天気の日だ。

マンゴーソーダを持って帰ってきた奥さん

そろそろ出発しようかという頃。

「トイレ行ってくる」

そう言って、奥さんが車を降りていった。

僕とかふぅは、そのまま車で待つことに。

しばらくすると、奥さんが戻ってきた。

その手には、なぜかマンゴーソーダ。

そして、なんだか嬉しそう。

一口もらってみると、想像していたよりずっと濃厚だった。

マンゴー味のジュースというより、本当に果肉を食べているみたいな味。

「濃っ」

内心ちょっと驚いた。

隣を見ると、奥さんは美味しそうに飲んでいる。

そういう姿を見ていると、なんだかこっちまで嬉しくなる。

そのまま平塚へ

ソレイユの丘を出たあとは、平塚のジ・アウトレットへ。

9月の軽井沢旅行に着ていく服でも見ようかと、ふたりでぶらぶらした。

奥さんは特に何も買わなかったけれど、僕は前から探していたデニムをひとつ購入。

朝から散歩して、遊んで、ソレイユの丘を歩いて、買い物して。

気づけば、なかなかよく動いた一日になっていた。

帰り道に思ったこと

帰り道。

助手席と後ろでは、奥さんとかふぅがぐっすり眠っていた。

朝からたくさん歩いたもんね。

安心して眠っているふたりを横目に、僕はいつもの道を運転する。

何度も見てきた光景。

だけど、不思議と同じ日はひとつもない。

ひまわりを見たこと。

ジンバルが変な方向を向いて笑われたこと。

Tシャツにタコスのソースをこぼしたこと。

奥さんが嬉しそうにマンゴーソーダを持って帰ってきたこと。

どれも大した出来事じゃない。

きっと、他の誰かに話したら「普通の休日」なんだと思う。

でも。

何年か経ったときに思い出すのは、案外こういう日のことなんだろうな。

見慣れたふたりの寝顔を見ながら、その日だけの特別な瞬間を噛みしめるように家路をなぞった。

そして、いつもの夜へ

家に着いたら、かふぅの散歩。

夕飯は奥さんの希望で、かつやのかつ丼をテイクアウトした。

たくさん歩いて、たくさん笑って。

最後はみんな少し疲れていた。

その夜は、いつものように3人で川の字になって眠った。

朝は少しだけ秋の気配がして。

昼には夏のひまわりを見て。

笑って、食べて、歩いて、疲れて。

何か特別なことをしたわけじゃない。

でも、こういう休日が僕は好きなんだと思う。

またひとつ。

しっぽと過ごした、僕たちの休日。

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